【実施報告】滋賀大学「居場所の空気感(子どもたちの気持ち)の見える化ワークショップ」
2024年度理系人材育成体験プログラム
a. 理系的素養を通じ未来を感じる体験
滋賀大学「居場所の空気感(子どもたちの気持ち)の見える化ワークショップ」
開催概要
開催日程: 2024年10月10日〜11月28日 毎週木曜日 14:30~17:40
開催場所: 滋賀大学彦根キャンパス
参加者数: 小学生約120名、学童指導員約15名、大学生96名、企業9社
彦根市内の学童保育の子どもたちを対象に、大学生が4つのグループに分かれ、遊びを通じて子どもたちの気持ちを見える化するワークショップに挑戦しました。子どもにとってウェルビーイングな場所にすることを目的に「遊びたい」「一人でいたい」などの意思表示の変化から気持ちを読み解くことがねらいでした。結果は、必ずしも思惑通りにはなりませんでしたが、子どもたちは自分の気持ちや周囲の気持ちに気づき、表現することの大切さを経験することになったようです。その実践報告会では、「はかる」ことを仕事にしている企業を交え、哲学プラクティショナーの山本和則さんによる企業と学生の対話型ワークショップで「はかる」について理解を深めました。
講師・担当教員からのコメント
数字や自然、ITへの興味関心といった理系的素養の根幹には、与えられたものを受け取る素直さに加え、「問いを立てる」能力が必要であると考え、「はかるとは?」に挑みました。大学生は「はかる」ための物差しを考え、はかろうとしましたが、子どもたちをその物差しではかることはできず、当初想定していた「はかる」行為とそのデータは得られませんでした。しかし、はかるための物差しを考え出し、その物差しを使ってみた時に、「はかる」側、「はかられる」側の気持ちに変化が起き、その変化は見ることができました。この経験は数値データにはならないものの、「はかる」の中にある様々な可能性に気づくものになりました。大学生や企業だけでなく、小学生にも「はかる」という行為を超えて、「人の気持ち」に気づき、考え続けることができる経験になったのではないかと思います。